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EVの充電と設備
電気自動車(EV)充電中にブレーカーが落ちるのはなぜ?原因と対策を解説
2025年11月14日 更新

自宅で電気自動車(EV)を充電しているときに、「突然ブレーカーが落ちた」「充電を始めると家の電気が落ちる」といったトラブルに悩む方は少なくありません。
とくに、EVの普及が進む中で「充電設備を設置したが家の電力が足りないのでは?」と不安に感じる声も増えています。
EVの充電は、一般的な家電と比べて消費電力が大きいため、家の契約アンペア数や同時使用する電気製品の状況によってはブレーカーが落ちることがあります。
しかし、これは必ずしも故障ではなく、家庭の電力を守るためにブレーカーが正常に働いているサインでもあります。
この記事では、「なぜEVの充電中にブレーカーが落ちるのか」という原因をわかりやすく整理し、落ちないための対策や電気容量の見直し方法を解説します。
安全で快適なEVライフを送るためのポイントを、初心者にもやさしく紹介していきます。
家庭用EV充電の基本:3kWが主流、200Vがオススメ
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電気自動車(EV・PHEV)を自宅で充電する場合、充電用のコンセントをつかいますが、その出力を確認しましょう。
家庭用の電源としては、100Vか200Vがあります。100Vでも充電は可能ですが、充電に時間がかかるため、200Vでの充電がおすすめです。
現在、多くの家庭用普通充電器では「200V × 15A=3kW」の出力が主流となっています。一方で、「200V × 30A=6kW」を超える高出力タイプの充電器も増えてきており、対応する車両であれば充電時間を大幅に短縮できます。
例えば、テスラのモデルY用家庭用充電器「ウォールコネクター」は、200Vで最大9.6kWの出力に対応しています。
ただし、高出力充電を活用するには、車両側がその出力に対応している必要があります。また、出力が上がるほどご家庭の電力プランの契約アンペア数の増加も必要になるため注意が必要です。
目安として、200V・3kWの充電で1時間あたり約20km走行可能です(車種によって変動します)。個人的な感想としては、家庭用では3kWタイプの充電でも十分実用的で、日常の充電には問題なく使えるでしょう。
ブレーカーが落ちる仕組みを簡単に理解しよう
ブレーカーは、家の電気設備を過電流や漏電から守る安全装置です。EVの充電中にブレーカーが落ちるのは、家庭全体で使う電力が安全に流せる限界を超えたときに起こります。
家の分電盤には「アンペアブレーカー」「安全ブレーカー」「漏電ブレーカー」などがありますが、どれが落ちたかによって原因の特定方法も変わります。
EV充電でブレーカーが落ちてしまうのは、契約容量不足が主な原因
EVを自宅で充電すると、家庭内の電力使用量が一気に増え、ブレーカーが落ちてしまうことがあります。これは、充電時に大きな電力を消費するためです。
こうしたトラブルを防ぐには、家庭で契約しているアンペア数を見直すことが有効です。
契約アンペア数とは、同時に使える電気の上限を示す値です。たとえば、分電盤に「40A」と表示されている場合、その家庭では一度に最大40アンペア、つまり約4kW(4,000W)までしか電気を使用できません。

たとえば、夜にエアコンをつけっぱなしにしながら、お風呂上がりにドライヤーを使い、そのタイミングでEVの充電を始める。このように複数の家電が同時に動くと、一時的に電気の使用量が契約している上限を超えてしまい、ブレーカーが落ちることがあります。
まずは契約容量の見直しを
こうしたトラブルを防ぐ第一歩は、契約しているアンペア数(契約容量)の見直しです。 たとえば40A契約の家庭では、同時に約4kWまでの電気しか使えません。エアコン、ドライヤー、電子レンジ、EV充電などを同時に使用すれば、すぐに上限を超えてしまいます。
もしブレーカーが頻繁に落ちるようなら、60Aなど上位の契約アンペアへ切り替えるのが有効です。これで一度に使える電力量が増え、ブレーカーが落ちにくくなります。
ただし、契約アンペアを上げると基本料金が高くなる点には注意が必要です。 EV充電が他の家電使用とかぶらない時間帯(たとえば深夜)に行える場合は、無理に契約容量を上げずとも問題ありません。
つまり、
- 日常の使用状況に合わせて契約アンペアを見直す
- 家電とEV充電の時間帯をずらす
この2つを意識することで、ブレーカーが落ちない快適なEV充電環境をつくることができます。
契約アンペアを上げると、基本料金はいくら変わる?

ブレーカーが落ちるのを防ぐために契約アンペアを上げるのは効果的ですが、その分、基本料金も上がります。 ここでは、東京電力エリアの「従量電灯B」の例で、40Aから60Aに変更した場合を見てみましょう。
- 40A:1,247円00銭
- 60A:1,870円50銭
月に約620円の差ですので、 年間では
623.5円 × 12か月 = 約7,482円
の増加となります。
参考:従量電灯B・C|電気料金プラン|東京電力エナジーパートナー株式会社(2025年10月時点)
ブレーカーが落ちるストレスを避け、快適にEV充電ができる環境を整えられると考えれば、大きな負担ではないかもしれません。
一方で、「夜間に充電する」「他の家電の使用時間をずらす」といった工夫ができる場合は、契約容量を上げずにすむケースもあります。
契約している電力プランの見直しで快適なEVライフの実現も!
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ここで「電気代が高くなるからやめておこう」と思う必要はありません。
実は、電力プランを見直すだけで基本料金を抑えられるケースも多いのです。
最近では、EVユーザー向けに夜間の電気料金が安くなるプランや、基本料金を抑えて使った分だけ支払うタイプのプランなども登場しています。
こうしたプランに切り替えれば、契約容量を上げても電気代の負担を最小限に抑えられます。 EVのある暮らしに合わせて、契約アンペアと電力プランの両方を最適化することが、快適で効率的な充電環境づくりのポイントです。
EVeeではEVオーナーさんのライフスタイルに合わせて最適なプランをご提供しています。EVeeでご契約いただける電力プランの一覧はこちらをご覧ください。
EVの充電でブレーカーが落ちる心配は、契約容量や電力プランを見直すことで大きく軽減できます。
日常の家電使用と充電タイミングを気にせず、安心してEVライフを楽しむために、ぜひ自分に合ったプランや契約アンペアを検討してみてください。



