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EVの充電と設備
EV充電スタンド(スポット)とは?種類や探し方、料金、使い方をわかりやすく解説!
2025年11月7日 更新
EV充電スタンド(スポット)とは?──外出時に欠かせない“電気の給油所”
近年、EV(電気自動車)を街で見かける機会がぐんと増えました。
走行中に排出ガスを出さず、環境にもやさしい次世代の車として注目されていますが、「出かけた先で充電はどうするの?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
そんなときに頼りになるのが、EV充電スタンド。言ってみれば、ガソリン車にとっての“ガソリンスタンド”のような存在です。
今では高速道路のサービスエリアや商業施設、宿泊施設など、さまざまな場所に設置が広がっています。
ここでは、EV充電スタンドの基本的な役割から、家庭充電との違い、そして外出時に必要とされる理由まで、わかりやすく解説します。
EVの充電スタンドには2種類ある
EV(電気自動車)の充電スタンドは、バッテリーに電気を補充して走行距離を回復させるための設備です。
充電スタンドには主に2種類あります。
ひとつは短時間で充電が完了する急速充電スタンド、もうひとつは時間をかけてゆっくり充電する普通充電スタンドです。
- 急速充電スタンド:高速道路のSA・PA、コンビニ、ディーラーなどに多い
- 普通充電スタンド:宿泊施設、商業施設、オフィスビルなどに多い
いずれも、EVユーザーが安心して遠出できるように支える“公共の充電インフラ”です。
家庭充電との違いと、外出時に必要な理由
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多くのEVオーナーは、自宅に専用のコンセントや充電器を設置して、夜のうちに充電しています。
いわば「家に帰ったらスマホを充電する」のと同じ感覚で、翌朝には満タンの状態で出発できる―― これが家庭充電の大きな魅力です。
ただし、ちょっと遠出をする日や、予定外に走行距離が伸びたときは、 自宅だけの充電では足りないこともあります。
そんなときに頼りになるのが、外出先のEV充電スタンドです。
旅行先や高速道路のサービスエリア、ショッピングモールなどに設置されているスタンドを使えば、 ドライブの途中でも手軽に電気を補給できます。
「休憩ついでに少しだけ充電しておこう」――そんな気軽な使い方ができるのもポイントです。
つまり、家庭充電が“毎日の基礎充電”なら、外出先の充電スタンドは“おでかけ時の安心サポート”のような存在。
この2つをうまく組み合わせることで、EV生活をより快適でストレスのないものにできるのです。
EV充電スタンドの探し方と便利ツール
「外出先で充電したいけど、どこにスタンドがあるのかわからない…」 そんなときは、便利なツールを活用すると簡単に見つけることができます。
1. スマホでサクッと検索
最近では、全国の充電スタンドを検索できるサービスが充実しています。代表的なものには以下があります。
- e-Mobility Power: e-Mobility Power - 充電器を検索する
- GoGoEV:EV充電スタンド情報サイト GoGoEV
- EVsmart:EVsmart|電気自動車(EV)充電器スポット・スタンドの検索 口コミサービス
- CHAdeMO:CHAdeMO Fast Charger Map
- Googleマップ:検索バーに「EV充電スタンド」と入力するだけで周辺スポットが表示
これらのサービスを使えば、スタンドの場所だけでなく、対応している充電タイプや営業時間、料金なども一目でわかります。お出かけ前にチェックしておくと安心です。
2. スタンドの目印を覚えておこう

充電スタンドには、目印となるマークが付いています。
一般的には、“CHARGING POINT”や電気プラグのアイコンが目印です。遠くからでも見つけやすく、駐車場に入る前に「ここで充電できる!」と判断できます。
3. 使いやすいツールを組み合わせる
アプリや地図だけでなく、カーナビやEV車専用ナビでもスタンド検索が可能です。旅行や長距離ドライブの計画段階では、複数のツールを組み合わせてルートを確認すると、より安心です。
また、アプリによっては空き状況や混雑度をリアルタイムで教えてくれる機能もあるので、「せっかく行ったのに使えなかった…」というトラブルを防ぐことができます。
EV充電スタンドの使い方|手順から支払いまで
「スタンドには行ったけれど、どうやって充電を始めればいいの?」そんな初心者の方でも安心できるよう、ここでは基本的な手順と支払い方法を解説します。
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1. 充電前に確認すること
充電を始める前には、次のポイントをチェックしましょう。
- 車の充電口とスタンドのコネクタ形状が合うか → コネクタは車種によって種類が異なります。間違えないように確認しましょう。
- バッテリー残量 → 残量が少ないと急速充電が有効ですが、普通充電でも時間がかかるので計画的に。
- スタンドの使用状況 → 空き状況や混雑度をアプリで確認しておくとスムーズです。
2. 充電の開始方法
充電スタンドでの基本的な操作は、以下の流れです。
- 車を駐車し、充電口のフタを開ける
- スタンドのケーブルを車に接続
- 認証:充電カードや専用アプリで操作
- 充電スタートの指示が出たら、車とスタンドが接続されていることを確認
これで充電が始まります。ケーブルや接続部分は手を汚さず、安全に操作できるよう設計されています。
3. 充電終了と精算
充電が完了したら、以下の手順で終了します。
- 車側で充電終了操作を確認
- スタンドでケーブルのロックを解除
- ケーブルを元に戻す
- 支払い(カード払いの場合は自動精算、現金やアプリ払いの場合は画面指示に従う)
急速充電では30分程度、普通充電では数時間かかる場合があります。長時間駐車する場合は、周囲のEVユーザーと譲り合いながら利用しましょう。
充電スタンドは、操作自体は難しくありません。
- 充電前の確認
- ケーブル接続と認証
- 終了操作と支払い の3ステップを押さえておけば、誰でもスムーズに使えます。
また、急速充電・普通充電の違いや、利用マナーを意識することで、EVライフをもっと快適に楽しめます。
充電カードと支払い方法の基本
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EV充電スタンドを使うには、ほとんどの場合充電カードや専用アプリで認証・支払いを行います。
「カードってどんなもの?」「持っていないと使えないの?」 そんな疑問を持つ方のために、基本をわかりやすく解説します。
1. 充電カードとは?
充電カードは、EV用の電子マネーのようなもので、スタンドにかざすだけで認証できる便利なツールです。
車を停めてプラグを差し込む前にカードをかざすことで、充電スタートの準備が整います。
主なカード例は以下の通りです。
- e-Mobility Power カード
- 自動車メーカー提供カード(トヨタ、日産、三菱自動車など)
- 各種公共施設・商業施設連携カード
カードがなくても使えるスタンドもありますが、事前登録やアプリのダウンロードが必要な場合が多いため、持っておくと安心です。
2. 支払い方法の種類
EV充電の料金は、スタンドによって異なりますが、主に次の方法で支払います。
カード払い
- 事前にチャージした金額から引き落とし
- クレジットカード連携型もあり、精算が簡単
アプリ払い
- スマホアプリでスタンドを認証・決済
- 空き情報や充電状況も確認できて便利
現金払い(ごく一部)
- 公共施設の普通充電などに限定されることがあります
3. 充電カード・アプリを使うメリット
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- スタンドでの操作がスムーズになる
- 複数のスタンドで共通利用可能
- 利用履歴の管理が簡単
特に長距離ドライブや外出先で複数スタンドを利用する場合は、カードやアプリを持っていると安心です。
充電カードとアプリは、EV充電スタンドを快適に利用するための必須アイテムです。
- 事前に登録しておく
- 利用可能なスタンドをアプリで確認
- 支払い方法を把握しておく
これらを押さえておくことで、初めてのスタンド利用でも安心して充電できます。
EV充電スタンドの料金目安
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EV(電気自動車)の充電料金は、「普通充電」と「急速充電」で大きく異なります。 それぞれの料金体系を理解しておくと、どのスタンドを使うのがおトクかが見えてきます。
普通充電の料金目安
エネチェンジパスポート(月額制プラン)
エネチェンジが提供する定額制サービスです。
- 月額料金:2,980円(税込)
- 対象時間:7:00〜15:59
- 対象時間外は、各充電器が設定する通常料金が発生します。
上手に時間帯を選べば、月額費用だけで毎日普通充電できる点が魅力です。 ただし、普通充電は出力が小さいため、1回の充電で得られる電力量(kWh)は少なめです。
参考:【EVドライバー向け】EV充電エネチェンジ|定額プラン「エネチェンジパスポート」
EMPビジター(都度払い利用)
e-Mobility Power(EMP)のビジタープランでは、カードを作らず都度利用が可能です。
- 1〜15分:132円
- 以降1分あたり:8.8円
例:30分充電の場合 → 132円+(15分×8.8円)=約264円
普通充電は長時間使っても一度に多く充電できないため、時間効率よりコスト優先の使い方に向いています。
参考:EVドライバーの方 - 株式会社e-Mobility Power
急速充電の料金目安
EMPビジター利用(カード不要)
e-Mobility Powerが提供する急速充電の都度払いプランです。 高速道路のSA・PAや商業施設でよく見かけるタイプです。
- 50kWh以下:1,650円(30分)
- 50kWh超:2,310円(30分)
急速充電は短時間で航続距離を大きく回復できる一方、料金単価(円/kWh)は普通充電より高めです。 外出先での“補充電”や、ロングドライブ時に使うのがおすすめです。
参考:EVドライバーの方 - 株式会社e-Mobility Power
充電スタンドのマナーとルール
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EV充電スタンドは、みんなで使う公共インフラです。安全に、スムーズに利用するためには、ちょっとしたルールやマナーを押さえておくことが大切です。
1. 長時間の占有は避ける
急速充電は短時間で充電できるとはいえ、他のEVユーザーも使う可能性があります。充電が完了したら、できるだけ早めに車を移動するのがマナーです。
普通充電でも、駐車時間が長くなる場合は、周囲の車の迷惑にならないよう配慮しましょう。
2. ケーブルや機械には優しく
充電ケーブルやスタンドの機械は精密機器です。無理に引っ張ったり、乱暴に扱ったりせず、丁寧に接続・取り外しを行いましょう。
3. 駐車マナーを守る
充電スポットはEV専用です。
- EVでない車を停めない
- 駐車スペースのライン内にきちんと駐車する
こうした基本マナーを守るだけで、すべての利用者が気持ちよく使えます。
4. 周囲への気配り
- 充電中はケーブルが通路をふさがないよう注意
- 長時間の占有や無断駐車で他のユーザーに迷惑をかけない
ちょっとした気配りで、充電スタンドは“みんなで使いやすい場所”になります。
EV充電スタンドのこれから──もっと身近に、もっと便利に
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EVの充電スタンドは、ここ数年で一気に数を増やし、私たちの生活のすぐそばまで広がってきました。今後は、「どこでも・誰でも・快適に」使えるインフラとして、さらに進化していくことが期待されています。
たとえば、今はまだ都市部や高速道路沿いに多い急速充電器も、将来的には地方や観光地、住宅地などにも整備が進み、ガソリンスタンドのように当たり前に見かける存在になっていくでしょう。
また、EV充電スタンドの出力も高められていくでしょう。日本国内の多くの急速充電器は20~50kWの出力を持っています。
しかし、最近では90kWや150kWの高出力型急速充電器の設置も進んでおり、EVの充電時間を短縮することもできるでしょう。
さらに、アプリを通じて空いている充電器を予約したり、クレジット決済やサブスク型のプランを選べたりと、ユーザー体験(UX)もどんどん便利になっています。
加えて、スマホのように、ケーブルをつながず“置くだけ”で充電できる「ワイヤレス充電」が、ついに車の世界にも広がり始めているんです。
すでにBMWやHyundaiなどのメーカーが停車中のワイヤレス充電を実証中で、北欧ではタクシーでの実験も進行中。日本でもダイヘンや新電元工業が製品化に取り組み、実用化が近づいています。
参考:自動車のGX 電動車の「ワイヤレス充電」とは?脱炭素交通に向けた期待と進む技術開発 | 自動車のGX | MRI 三菱総合研究所
EV社会は「走る」だけじゃない、“エネルギーと暮らし”の中心へ
EVの普及は、単にクルマが電気で走るようになるという変化にとどまりません。「エネルギーをどう使うか」という私たちの生活そのものを変えていく力を持っています。
充電スタンドは、その変化の入口。
これからのEVライフは、“電気を上手に使いこなす暮らし”へと進化していきます。




