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EVは雪に弱いって本当?雪国ユーザーが気になるポイントを徹底チェック

EVの基礎知識・導入編

EVは雪に弱いって本当?雪国ユーザーが気になるポイントを徹底チェック

2025年10月17日 更新

「EVは雪国でもちゃんと走れるの?」 そんな疑問をお持ちの方も多いかもしれません。

実際、寒冷地ではバッテリー性能の低下や航続距離の短縮が気になるところ。 そのため、「EVは寒さに弱い」といったイメージを持たれることもあります。

しかし近年のEVは進化しており、雪道や寒冷地でも十分に走行可能です。むしろ、ガソリン車にはないメリットを感じられるシーンもあるほどです。

このコラムでは、雪国でEVに乗るメリットと注意点を分かりやすくご紹介します。 これからEVの購入を検討している方や、冬場の運転に不安がある方はぜひ参考にしてみてください。

EVは寒さに弱いって本当?

「EVは寒さに弱い」と耳にすることがありますが、それにはしっかりとした理由があります。

特に雪国などの寒冷地では、EVに搭載されているバッテリーの性能が低下しやすくなります。 これは、EVの主流であるリチウムイオン電池が低温環境に弱いため。気温が下がると電池内部の化学反応が鈍くなり、電力の供給効率が落ちてしまうのです。

その結果、航続距離が短くなったり、充電効率が下がるといった現象が起こることがあります。

寒い季節に気をつけたいEVの電力消費と航続距離の変化

暖房使用で電力消費が増える

ガソリン車の場合、エンジンの排熱を暖房に活用できますが、EVにはその仕組みがありません。

EVでは暖房をつける際、バッテリーの電力を直接使うため、寒い時期は暖房による電力消費が増える傾向があります。

さらに、シートヒーターやステアリングヒーターなど快適装備も電力を消費するため、合計すると消費量が大きくなりやすいのです。

航続距離が短くなる可能性も

低温環境ではバッテリーの性能が落ちやすい上に、暖房などの使用で電力を多く消費するため、一回の充電で走れる距離(航続距離)が通常より短くなることがあります。

寒冷地でEVに乗るなら、こうした特性を理解したうえで充電のタイミングや走行ルートの計画を立てることが大切です。

雪国でEVに乗る意外なメリットとは?

「EVは寒さに弱い」というイメージがある一方で、雪国だからこそ活きるEVのメリットもあります。ここでは、ガソリン車にはないEVならではの利点を3つご紹介します。

一酸化炭素中毒のリスクがない

大雪による立ち往生は、雪国の冬に起こりやすいトラブルのひとつです。 ガソリン車の場合、マフラー(排気口)が雪で塞がれると、排気ガスが車内に逆流して一酸化炭素中毒を引き起こす危険があります。

その点、EVは燃料を燃やさず走行するため、排気ガスが出ません。一酸化炭素中毒のリスクがなく、雪道での長時間待機時にも安心です。

雪道でも安定した走行性能

EVは構造上、雪道での安定走行に適した特徴を備えています。

  • 駆動力の制御が緻密
    EVはモーターでタイヤを直接駆動するため、アクセル操作に対して反応が速く、滑りやすい雪道でもトラクションを細かく制御できます。
  • 低重心で横滑りしにくい
    重いバッテリーが車体の下部に配置されているため、重心が低くなり、横滑りしにくく安定感のある走行が可能です。

暖房がすぐに使える

EVはエンジンを使わないため、暖機運転を待たずにすぐに暖房を入れることができます。特にヒートポンプ式の暖房を採用しているEVなら、電力消費を抑えながら効率的に車内を暖めることができます。

雪道や寒さへの不安を抱く方もいるかもしれませんが、EVには冬場でも安心して使える強みがあります。使い方や車種を工夫すれば、雪国でもEVは十分に活躍してくれる存在です。

雪国でEVに乗るときに気をつけたいポイント

寒さが厳しい地域でEV(電気自動車)を使う場合、バッテリーの性能低下や電力消費の増加といった寒冷地特有の課題があります。

さらに雪道ならではのリスクもあるため、安心して使うにはいくつかの工夫が必要です。ここでは、雪国でEVを活用するために押さえておきたい注意点をご紹介します。

バッテリーは「寒さ対策」が大事

寒いとバッテリーの性能が落ちやすくなります。できるだけ車を屋内や車庫など、氷点下にならない場所に保管して、バッテリーが極端な低温にさらされないようにしましょう。駐車環境を整えるだけでも、バッテリーの状態を良好に保ちやすくなります。

充電計画はゆとりを持って

気温が低いと、バッテリーの持ちも悪くなりがち。いつもより走れる距離が短くなることを前提に、あらかじめ充電のタイミングを考えておくことが大切です。出かける前には、目的地までにある充電スポットの場所もチェックしておきましょう。

暖房の使い方にも工夫を

車内を暖めるための暖房も、バッテリーを消費する要因のひとつ。エアコンの設定温度を控えめにして、シートヒーターやハンドルヒーターを併用すると、省エネ効果が期待できます。最近のEVに搭載されている「ヒートポンプ式暖房」であれば、より効率的に車内を暖めることができます。

安全運転を最優先に

EVは低重心で雪道でも安定した走行ができる特徴がありますが、それでも雪道では注意が必要です。急な加速や急ブレーキは避け、スピードは控えめに。もちろん、冬用タイヤへの交換は必須です。坂道では滑りやすくなるため、特に上り坂では途中で止まらず、勢いを保って走ることも意識しましょう。

これらのポイントを押さえておけば、雪国でもEVは安心して活用できます。

雪国でもEVは使える。正しく知れば不安も解消

寒さによるバッテリー性能の低下や航続距離の短縮など、EVは確かに寒冷地での使用に向いていないイメージがあるかもしれません。

しかし、一酸化炭素中毒のリスクがなく、走行時の安定性が高いといったメリットもあります。EVの特徴を正しく理解していれば、寒冷地での使用を必要以上に不安がる必要はありません。

ご紹介したポイントを押さえたうえで使えば、雪国でもEVは十分に実用的な選択肢になります。