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EVの性能・維持費
電気自動車(EV)にかかる税金ガイド|減税制度の仕組みと優遇措置を解説
2026年3月9日 更新
ガソリン車から電気自動車(EV)への乗り換えを検討する際、多くの方が関心を寄せるのが「税金の優遇措置」です。
「EVは税金が安い」というイメージは定着しつつありますが、具体的にどの税金が、いつ、どの程度減免されるのかについては、制度が多岐にわたるため少し複雑に感じられるかもしれません。
自動車に関わる税金には、購入時にかかるもの、保有している期間中にかかるものなど複数の種類があります。
EVの場合、これらに対して「エコカー減税」や「グリーン化特例」といった制度が適用されますが、車種や購入のタイミングによって軽減率が異なるケースもあります。
本記事では、EVにまつわる税制の仕組みを整理し、ガソリン車との違いや、検討時に知っておきたいポイントを分かりやすく解説します。
検討の第一歩として、まずはEVに関わる税金の全体像を正しく把握していきましょう。
自動車に関わる税金の基礎知識
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車を所有する際には、主に3つの税金が発生します。
これらはガソリン車・電気自動車(EV)問わず、すべての自動車にかかる基本的な税金です。
1. 自動車税・軽自動車税(種別割)
毎年4月1日時点の所有者に対して課される税金です。
- 普通車: エンジンの総排気量に応じて税額が決まります。
- 軽自動車: 排気量に関わらず一律の税額となります。
- EVの場合: エンジンがないため、普通車の場合は「1リッター以下」の区分に該当し、税法上で最も安い区分が適用されます。
2. 自動車重量税
車両の重量に応じて課される税金です。
- 支払うタイミング: 新車購入時(新規登録時)と、その後の車検ごとにまとめて支払います。
- 仕組み: 車両が重ければ重いほど税額が高くなる仕組みですが、環境性能に優れた車には後述する軽減措置があります。
3. 環境性能割
自動車を取得した際(購入時や譲り受けた際)にかかる税金です。
- 仕組み: 以前の「自動車取得税」に代わり導入されました。車の燃費性能に応じて、取得価額(車両価格など)に対して0~3%の税率が課されます。
電気自動車(EV)に適用される「減税措置」の仕組み
上記で挙げた3つの税金に対し、EVは「環境負荷が低い」という理由から、さまざまな軽減・免税措置が用意されています。代表的なものは以下の3点です。
グリーン化特例(自動車税の軽減)
排出ガス性能や燃費性能に優れた車に対し、自動車税を軽減する制度です。
EVの場合、新車登録をした翌年度分の自動車税が概ね75%軽減されます。購入した初年度ではなく、翌年にメリットを実感できる仕組みです。
エコカー減税(重量税の免税・軽減)
環境性能に優れた車に対し、重量税を軽減する制度です。
EVは最も高い基準をクリアしているため、多くの場合、新車購入時および初回継続車検時(3年後)の重量税が100%免税(0円)となります。
環境性能割の非課税措置
環境性能割は「燃費が良い車ほど税率が下がる」仕組みですが、走行中に排出ガスを出さないEVは、この区分において最高ランクの「非課税(0%)」に分類されます。
結果として、購入時の取得価額に関わらず、この税金を支払う必要がありません。
参考:自動車:自動車関係税制について (エコカー減税、グリーン化特例 等) - 国土交通省
【要約】EVの税金が「安い」と言われるシンプルな理由

ここまでの内容を整理すると、電気自動車(EV)の税制優遇は以下の3段階のステップで構成されています。
そもそも1つ払わなくて良い
購入時にかかる「環境性能割」は、EVであれば非課税(0円)となるため、実質的に3つの税金のうち2つのみを考えれば良いことになります。
残りの2つも大幅に安くなる
残る「自動車税」と「自動車重量税」についても、それぞれグリーン化特例とエコカー減税が適用されます。
結果としての免税・減税
これにより、重量税は「免税(0円)」、自動車税は「75%軽減」となり、ガソリン車と比較して支払額が大幅に抑えられる仕組みです。
「本来払うべき3つの税金のうち、1つは全額カット、残り2つも大幅割引」という点が、EVならではの強力なメリットといえます。
実際にEVを購入すると税金はどのくらいかかるのか?
それでは、実際にEVを購入すると税金はいくらかかるかを検証してみましょう。購入初年度からそのご5年間の税金と内訳を整理してきます。
- 比較条件:2,000 ccクラスのガソリン車(車両価格400万円・重量1.5t) と同クラスのEV
- 2025年12月時点での試算となります。

購入時(初年度)
ガソリン車(合計:約147,400円)
- 環境性能割(旧取得税):約80,000円 (2%)
- 自動車重量税(3年分):36,900円
- 自動車税(登録月による):約30,500円(月割)
電気自動車(EV)(合計:約30,500円)
- 環境性能割(旧取得税):0円 (非課税)
- 自動車重量税(3年分):0円 (免税)
- 自動車税(登録月による):約30,500円(月割)
2年目(購入の翌年度)
ガソリン車(合計:36,000円)
- 自動車税:36,000円
- 自動車重量税:0円(車検がないため発生しません)
電気自動車(EV)(合計:6,500円)
- 自動車税:6,500円(※グリーン化特例により概ね75%軽減)
- 自動車重量税:0円(車検がないため発生しません)
3年目(初回の車検前)
ガソリン車(合計:36,000円)
- 自動車税:36,000円
- 自動車重量税:0円
電気自動車(EV)(合計:25,000円)
- 自動車税:25,000円(※特例期間が終了し、本来の税額に戻ります)
- 自動車重量税:0円
4年目(初回継続車検のタイミング)
ガソリン車(合計:60,600円)
- 自動車税:36,000円
- 自動車重量税(2年分):24,600円(※車検時にまとめて支払います)
電気自動車(EV)(合計:25,000円)
- 自動車税:25,000円
- 自動車重量税(2年分):0円(※エコカー減税により2回目の免税が適用)
5年目
ガソリン車(合計:36,000円)
- 自動車税:36,000円
- 自動車重量税:0円
電気自動車(EV)(合計:25,000円)
- 自動車税:25,000円
- 自動車重量税:0円
補助金制度(CEV)の活用でさらにお得に
さらに電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHEV)といった環境負荷の低い自動車を購入する際に、補助金が受けられる「CEV補助金」という制度もあります。
2026年(令和8年)現在の制度では、補助金の上限額は電気自動車(EV)が最大130万円、プラグインハイブリッド車(PHEV)が最大55万円、燃料電池自動車(FCEV)は最大255万円に設定されています。
ただし、この補助金は予算がなくなり次第終了となるほか、原則として3〜4年の保有義務がある点には注意が必要です。
初期費用だけで判断するのはもったいない!EVの『本当の安さ』に注目しましょう

電気自動車(EV)には、環境性能割、グリーン化特例、エコカー減税といった多手な税制優遇が用意されています。
これらに加えて、ガソリン代に代わる「電気代」の安さや、環境性能の高さから任意保険料が割引(電気自動車割引)になるケースがあるなど、保有期間中のランニングコストを大幅に抑えられる可能性があります。
そのため、電気自動車(EV)を検討する際は、車両本体の価格(取得価格)だけで判断するのではなく、数年間にわたる税金、維持費、補助金をすべて含めた「トータルコスト」で比較することが大切です。
税金や補助金の仕組みを賢く利用して、家計にも環境にも優しいEVライフを実現させましょう。



