EVee

前のページに戻る

GX(グリーントランスフォーメーション)とは?EVとともに進むエネルギーの未来

再エネ・発電の仕組み

GX(グリーントランスフォーメーション)とは?EVとともに進むエネルギーの未来

2025年7月29日 更新

皆さんは「GX(グリーントランスフォーメーション)」という言葉を耳にしたことはありますか?

あまり家庭ではなじみのない言葉かもしれませんが、実は私たちの暮らしや、電気自動車(EV)の普及にも深く関係する重要なキーワードです。GXは、これからの日本のエネルギー政策や脱炭素社会の実現に向けて、欠かすことのできない取り組みのひとつとして注目されています。

このコラムでは、GXの基本的な意味や、その必要性、カーボンニュートラルとの違い、そしてEVとどのように結びついているのかをご紹介します。 EVに乗ることが、なぜGXの一翼を担うことになるのか。そんな視点からも読み進めていただければと思います。

GXとは?

GXは「グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)」の略で、環境に配慮した社会づくりに向けて、これまでの経済やビジネスの仕組みを抜本的に見直していこうという考え方です。

たとえば、化石燃料に頼った発電や移動手段を、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)に切り替えていくことも、GXの一環です。企業や自治体などが、従来のやり方から脱炭素型のしくみへと転換していくことで、持続可能な社会を目指します。

背景には、地球温暖化や異常気象といった気候変動の深刻化があります。これを食い止めるため、世界では温室効果ガスの排出削減が急務とされており、日本も「2050年カーボンニュートラル」を目標に掲げています。

GXの実現には、電力のクリーン化だけでなく、EVの普及も重要な役割を担います。EVは走行中にCO₂を排出せず、再生可能エネルギーと組み合わせることで、より環境にやさしい移動手段となります。つまり、EVを選ぶことはGXへの貢献にもつながるのです。

GXとカーボンニュートラルの違いとは?

GX(グリーントランスフォーメーション)とよく混同されがちな言葉に「カーボンニュートラル」があります。どちらも脱炭素や環境への配慮を目的とした取り組みですが、意味合いには違いがあります。

カーボンニュートラルとは、CO₂などの温室効果ガスの「排出量と吸収量を差し引きゼロにする」考え方です。たとえば企業が製品をつくる過程で出る排出量を抑えつつ、森林の保全や植林による吸収などでバランスを取り、最終的に“実質ゼロ”を目指す取り組みを指します。

一方のGXは、より広い視点を持った概念です。排出削減だけでなく、ビジネスや社会全体の仕組みを、環境に配慮した方向へ抜本的に変えていくという大きな流れを意味しています。エネルギーの使い方を見直したり、資源の再利用を進めたりすることもGXの一部です。

たとえば、ガソリン車からEV(電気自動車)への切り替えは、まさにGXの象徴的な動きのひとつです。さらにそのEVを、再生可能エネルギーからつくられた電気で充電すれば、カーボンニュートラルの実現にも近づきます。

つまり、GXという大きな“変革”の中に、カーボンニュートラルという“具体的な目標”が含まれている——そう捉えると分かりやすいかもしれません。

脱炭素との違い

「脱炭素」という言葉も、GXやカーボンニュートラルと並んでよく目にするようになりました。 脱炭素とは、主に二酸化炭素(CO₂)の排出を実質ゼロにすることを指します。こうした社会のあり方は「脱炭素社会」と呼ばれています。

一方、カーボンニュートラルは、CO₂に限らず、メタンや一酸化二窒素などの温室効果ガス全体の排出と吸収のバランスをゼロにすることを目指す考え方です。

そしてGX(グリーントランスフォーメーション)は、こうした個別の目標を包括した社会全体の仕組みの転換を意味する言葉です。クリーンエネルギーの普及、エネルギー効率の改善、資源の再利用といった取り組みを通じて、経済と環境の両立を目指しています。

たとえば、EV(電気自動車)を再生可能エネルギーで走らせるような動きは、GXの具体的な一歩でもあります。単に脱炭素を実現するだけでなく、社会のエネルギーの使い方そのものを変えていく試みなのです。

GXリーグとは?

GXリーグは、GXの実現に向けて先進的な取り組みを行う企業が集まり、官・民・学が連携しながら持続可能な社会づくりを進めていくための協働の場です。

「GXへのリーダーシップ」をキーワードに、カーボンニュートラルの達成だけでなく、経済・環境・社会の健全な成長をどう両立させていくかを、実践的に議論・推進しています。

GXリーグでは、以下の「3つの対話の場」を通じて、政策提言や新しい市場ルールの創出、自主的な排出量取引などにもチャレンジしています。

  • 未来社会像対話の場
    2050年のカーボンニュートラルな社会を見据え、あるべき未来像を企業や有識者がともに描く場
  • 市場ルール形成の場
    GXを後押しするための新しい市場制度やルールを話し合う場
  • 自主的な排出量取引の場
    企業ごとに設定した排出削減目標に向け、自主的な排出権の取引を行う実証の場

EVを取り巻くエネルギー環境も、このGXリーグの活動によって変わっていく可能性があります。電力の選び方や使い方が、未来の社会をつくる一助になるかもしれません。

企業がGXに取り組むメリット

GXは社会全体の方向性であり、企業にとってもさまざまなメリットがあります。

公的支援の拡充

GX関連の取り組みに対して、政府からの支援や補助金が増えつつあります。 たとえば、グリーン成長戦略に基づく補助金制度や、温室効果ガス削減に対応した製造・設備支援などがあります。

EVインフラや蓄電設備の導入にも支援が期待され、電力会社や関連企業のGX投資を後押ししています。

企業イメージの向上

GXに積極的な企業は、環境意識の高い消費者や就職希望者から好感を持たれる傾向があります。 再エネやEV充電サービスなどを提供する企業にとっては、ブランディングの強化にもつながります。

エネルギーコストの削減

太陽光発電や蓄電池など、再エネを活用した自家消費は長期的に見てコスト削減につながります。 EV充電に使う電力を再生可能エネルギーでまかなう企業も増えており、GXと経済性の両立が進んでいます。

GXを支えるDX(デジタル変革)の重要性

GXの推進には、リアルタイムでエネルギーや排出量を管理する仕組みが不可欠です。 その実現には、DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用がカギを握ります。

IoTを活用して設備や車両からデータを収集し、クラウド上で可視化・分析することで、CO₂排出量の最適化や効率改善が進みます。

EVの充電設備も、こうした技術と連携することで、よりスマートで持続可能な運用が可能になります。

EVとGX、そして私たちにできること

私たちの暮らしの中でGX(グリーントランスフォーメーション)を推進することは、未来の地球環境を守るために欠かせない取り組みです。そして、GXは一部の企業や政府だけでなく、私たち一人ひとりの選択にも関わってきます。

たとえば電気自動車(EV)に乗ることも、GXの一歩です。EVは走行時にCO₂を出さないクリーンな乗り物ですが、その電力が再生可能エネルギー由来であれば、より環境にやさしい移動手段になります。

当社が提供している電気料金プランの中には、発電時にCO₂を排出しない「CO₂フリープラン」もございます。EVの充電にこのプランを組み合わせれば、EVライフそのものがGXの取り組みに直結することになります。

GXは、決して難しいものではありません。日々の移動手段や、使う電気を選ぶこと。そんな小さな選択の積み重ねが、大きな変化を生み出します。

未来のために、EVとGXを身近なところから始めてみませんか?