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EVと暮らしのエネルギー
V2H vs 蓄電池どちらが良い?EVユーザーが迷わず選べる比較ガイド
2025年12月12日 更新
EVをすでにお持ちの方なら、「V2Hって実際どうなの?」「家庭用蓄電池と比べてどっちがおトクなの?」と一度は気になったことがあるのではないでしょうか。
どちらも“電気を貯めて家で使える仕組み”ですが、実は役割もメリットもけっこう違います。
- EVを家の大きな蓄電池として使える V2H
- 家に固定して設置する 家庭用蓄電池
どちらを導入するかで、電気代の節約額、停電時の安心感、日々の使い勝手は大きく変わります。
特にEVを持っている人にとっては、「せっかく大容量のバッテリーを持ってるのに、蓄電池を別で買う必要ある?」 「でも、V2Hだけで本当に大丈夫?」と迷ってしまうポイントも多いですよね。
そこでこのコラムでは、V2Hと家庭用蓄電池の違いを4つの視点でわかりやすく比較し、さらに “どんな人にどちらが向いているのか” を具体的に解説します。
あなたの暮らしのスタイルに合うのはどちらなのか、読めば自然と答えが見えてくるはずです。ぜひ参考にして、失敗しない選択につなげてください。
そもそも「V2H」とは?
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V2H(Vehicle to Home)とは、EV(電気自動車)のバッテリーにためた電気を家に戻して使える仕組みのことです。 EVを“走る蓄電池”として活用できるため、停電時のバックアップ電源としても注目されています。
V2H機器を家に設置することで、
- 安い時間帯の電気でEVを充電
- EVの電気を家に供給して電気代を節約 といった使い方も可能です。
V2Hについてもっと詳しく知りたい方はこちら。
なお、すべてのEVがV2Hに対応しているわけではなく、非対応の車種もありますので注意しましょう。テスラ車はV2H非対応となっていますので、テスラオーナーの方はお気を付けください。
そもそも「家庭用蓄電池」とは?
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家庭用蓄電池とは、家に固定して置く“専用の蓄電システム”です。
太陽光発電と組み合わせて使うことが多く、発電した電気をためて夜に使ったり、停電時の非常用電源として活躍します。
V2Hは自宅に駐車していて、V2Hシステムにつながっている時しか蓄電池として活用できませんが、家庭用の蓄電池は常時電力を利用できるため利便性があります。
家庭用蓄電池についてもっと詳しく知りたい方はこちら。
V2Hと蓄電池はどう違う?4つの比較ポイントで解説
V2Hと蓄電池はどちらも「電気をためて使う」という点では同じですが、仕組み・使えるタイミング・費用感が大きく異なります。
ここでは、迷ったときに役立つ4つの視点で違いを整理していきます。
① 利用できるタイミング(使い勝手の違い)
V2H
- EVが家に“停まっているとき”だけ家へ給電可能
- 日中に車で外出している時間帯は使えない
- 停電時は十分に充電されたEVがV2Hに接続されていれば家全体をバックアップ可能
蓄電池
- 家に固定されているため いつでも使える
- 太陽光の余剰電力をためて夜に使うなど、日常の節電と相性が良い
- 停電時も自動でバックアップ(機種によっては家全体対応も可能)
使い勝手の点では蓄電池が安定。 ただし、EVをほぼ毎日自宅に置く人はV2Hでも十分実用的。
② 蓄電できる容量の違い
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V2H(EVバッテリー)
- EVは40〜90kWhクラスが多く、蓄電池より大容量
- 停電時に「家族全体で数日過ごせる」ケースも多い
- 大容量ならではの安心感が大きい
蓄電池
- 一般家庭の容量は5〜12kWhが主流
- 普段の節電や夜間利用には十分
- 長期停電では容量が足りない場合も
“災害時の安心感”は圧倒的にV2H。
災害時・停電時のEVの活用についてもっと知りたい方はこちらをチェック!
EVと蓄電池の容量比較
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- 三菱自動車 ミニキャブ EV:20kWh
- 日産リーフ:40kWh
- メルセデスEQE 350 4MATIC SUV:90.6kWh
- 家庭用蓄電池:5〜12kWh
家庭用蓄電池の蓄電容量は一般的に 5kWh前後 が中心で、小型タイプでは 約2kWh、大型タイプでも 12kWh程度 に収まるのが一般的です。
一方、EVは車載バッテリーそのものが大容量で、50〜60kWh以上を搭載するモデルも多く、定置型蓄電池よりもはるかに大きな電力量を蓄えられます。
そのため、より長時間の電力供給が可能という点が大きな特徴です。
導入費用の違い
V2H
- 本体+工事費で 60〜120万円程度
- EVをすでに持っている家庭なら比較的導入しやすい※EVがなければ「本体+車」の投資になるため現実的ではない
蓄電池
- 容量にもよるが 100〜200万円が一般的
- 停電対策と日常の節電を一台でカバーできる万能型
- 長寿命タイプほど高価格帯
費用はV2Hのほうが導入しやすい傾向。 蓄電池は高いが安定稼働が魅力。
④ 補助金の違い
V2H
- 国の補助金は近年縮小傾向だが、 一部自治体では 10〜30万円前後 の補助が継続中
- EV普及政策と連動しているため地域差が大きい
蓄電池
- 自治体による補助金は比較的多い
- 太陽光とセットで補助が出るケースが多く、 合計 20〜40万円以上 になる自治体も存在
補助金に強いのは蓄電池(自治体によりかなり異なる)。
V2Hと蓄電池、それぞれに合うのはどんな人?
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V2Hと家庭用蓄電池はどちらも「電気を貯めて使う」という点では同じですが、使い方やライフスタイルによって向き・不向きがあります。ここでは、迷ったときの判断ポイントを整理します。
蓄電池より「V2H」がおすすめの人
- EVを毎日自宅に駐車している人
- 停電や災害時に、大容量の電力を確保したい人
- EVのバッテリーを日常的に“家庭の電力源”として活用したい人
- EVの充電と家庭の電力使用を一体で管理したい人
ポイント:V2HはEVの大容量バッテリーを活かせるため、停電対策や電気代節約の効果が大きく、EVを中心に暮らしをデザインしたい人に向いています。
V2Hより「蓄電池」がおすすめの人
- EVを持っていない、または自宅に駐車していない人
- 日常的に安定して電力を使いたい人
- 太陽光発電を組み合わせて、電気代を節約したい人
- 置き場所や運用の手間を最小限にしたい人
ポイント:蓄電池は家に固定されているため、EVの有無にかかわらず使えるのが強みです。普段の電気代節約と災害時のバックアップ、どちらもバランスよく欲しい人に向いています。
V2Hと蓄電池は併用できる? そのメリットは?
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V2Hと家庭用蓄電池は、それぞれ単体でも便利ですが、併用することでさらにメリットが広がります。
特にEVをすでに所有している家庭では、両方を組み合わせることで日常の電力活用と非常時の備えを両立できます。
非常時に安定した電源を確保できる
- EVのV2Hは大容量バッテリーを活かせるため、停電時に家全体へ長時間電力供給可能
- 家庭用蓄電池は常に待機しているため、EVが外出中でも一部の電力は利用可能
- 両方を併用すれば、災害時や停電時の安心感が格段に高まる
電気代の節約効果をより期待できる
- 蓄電池で昼間の太陽光発電を貯め、夜間に使う
- V2HでEVのバッテリーを活用して、電気代が高い時間帯の電力を補完
- 両者を組み合わせることで、時間帯別の電力購入量を減らし、日常的な光熱費を節約できる
導入費用を抑える方法もある
- 補助金や自治体の助成を組み合わせることで、初期投資を軽減可能
- V2Hと蓄電池の併用は、単体導入よりも費用対効果が高まる場合もある
EVを日常生活だけでなく、災害時のバックアップ電源としても有効に活用したい人は、V2Hと家庭用蓄電池の併用が最も安心で効率的な選択肢となります。
トライブリッド蓄電システムという選択肢
V2Hと家庭用蓄電池のどちらを選ぶべきか――。
多くのご家庭が悩むポイントですが、実はその“第3の選択肢”として注目されているのが トライブリッド蓄電システム です。
この仕組みはその名の通り、
- 太陽光発電
- 家庭用蓄電池
- EV(V2H)
の3つをまとめて連携させることで、家のエネルギーを最適にコントロールできるシステムです。
たとえば、 昼間は太陽光で発電した電気を蓄電池にため、余った分はEVに充電。そして夜は、蓄電池の電力で家の電気をまかなうか、必要に応じてEVの電力も活用する、といった柔軟な運用が可能です。
EV単体でも蓄電容量は大きく魅力的ですが、蓄電池と太陽光を組み合わせることで、「昼の発電 → 夜の利用」という生活サイクルにぴったりとフィットし、電気の自給自足にさらに近づけるというメリットがあります。
「V2Hか蓄電池か」ではなく、“3つをうまく組み合わせて最大限活かす” という新しい選択肢として、トライブリッド蓄電システムは非常に有効です。
テスラ車は「パワーウォール」の活用を
テスラ車ではV2Hに対応しておらず、車から家への電力供給をすることができません。トライブリッド蓄電システムを使用することもできないことになります。
しかし、テスラ社専用の家庭用の蓄電池「パワーウォール」が提供されています。
パワーウォールは貯めた電気を停電時に家に供給することもでき、また太陽光発電による余剰電力も貯めることができます。テスラ車からの放電はできませんが、クリーンエネルギーの活用などから、日常の電力利用の効率化が可能です。
参考:Powerwall – ホーム バッテリー | Teslaジャパン
自分に合った選択で、より安心・おトクな暮らしを
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V2Hにも蓄電池にも、それぞれ異なる強みがあり、どちらが最適かはご家庭のライフスタイルや優先したいポイントによって変わります。
「停電時の安心を重視したい」「太陽光をしっかり活用して電気代を節約したい」「EVをより便利に使いたい」など、何を大切にするかを整理することで、ご自身に合った最適な選択が見つかるはずです。
また、どちらか一方だけでなく、太陽光発電と組み合わせたり、トライブリッド蓄電システムのように“EV+蓄電池+太陽光”をまとめて活用することで、より高い経済性や安心を得られる場合もあります。
電力の使い方が大きく変わりつつある今こそ、暮らしに合ったエネルギー環境を整える絶好のタイミングです。 ぜひ今回の比較を参考にしながら、ご家庭にぴったりの選択肢を見つけてみてください。



